一般社団法人の基金制度について
一般社団法人は、設立に際して財産の拠出を必要とはされていませんが、 活動の原資となる資金調達の手段として、「基金制度」が設けられています。
基金とは、社員や社員以外の人から法人の責任財産となる財産の拠出を受け、法人の基礎財産となるものです。基金は絶対に必要なものではなく、 基金の設置、非設置は法人が任意に定めることができます。
基金を設置する場合は定款にその旨の定めを置く必要があります。なお、基金制度を一度でも採用した場合、それを廃止することはできません。
株式会社が発行する「社債」に近い性質を持ちますので、基金として集めた金銭等は、法人の活動の原資として自由に活用することができますが、返還の必要があることに注意が必要です。
定款への記載例
一般社団法人の基金に関する定款への記載例は下記のようになります。
(基金の拠出)
当法人は、社員又は第三者に対し、一般法人法第131条に規定する基金の拠出を求めることができるものとする。
(基金の募集)
基金の募集、割当て及び払込み等の手続については、理事が決定するものとする。
(基金の拠出者の権利)
拠出された基金は、基金拠出者と合意した期日までは返還しない。
(基金の返還の手続)
基金の拠出者に対する返還は、返還する基金の総額について定時社員総会における決議を経た後、理事が決定したところに従って行う。
基金拠出者と社員の区別
一般社団法人は、基金拠出者(基金を出資する者)と構成員である社員の地位は別ものと扱われ、基金を拠出したからといって一般社団法人の社員となるわけではありません。
返還の有無
一般社団法人の基金は、拠出者に返還する義務があります。その条件などは一定範囲で定款に定めることができますが、最終的には拠出者に返す必要のある負債的な性格の資金になります。